いつも一緒に家づくりをしている三重県熊野市の株式会社nojimokuさんにお声がけいただき、三重県のケーブルテレビ局ZTVさんのスタジオセットの更新のお手伝いをさせていただきました
「地域の木材をつかう」
という私としてはホーム感でしかないお題をいただき
三重の桧でスタジオセットを構成させていただきました
私がいつもメインで使っているのは杉なんですが、杉に比べて桧は上品な雰囲気の強い素材です
そして杉に比べるとプレーンな印象になってしまう素材でもあります
TVスタジオのセットとなると照明も強くあたる環境なので、素材感はより弱くなってしまうことが予想できました
計画前に現在使用しているセットの様子を見させていただき、予想していたよりコンパクトな空間で撮影をしているんだという驚きがありました
あと実際のカメラの画角から感じる圧迫感のようなものも
そういった印象もあり、限られたスペース・画角の中で奥行き感を出しつつ、桧の素材感も出す構成を検討しました
馴染みのある格子(ルーバー)を主の構成とし、陰影を出すことで奥行き感と素材感を担保しよう
木材の素材感を前面に出すと重たく田舎臭くなりますし、かといって桧という馴染みある素材をキャッチーな使い方をしてしまうと最初はよくてもすぐ飽きてしまう
長く視聴者の方に親しまれる空間であるべきだという観点からも、格子という要素は有用だろうと思ったわけです
格子の背負う背景は日本的な緑 薄い「萌黄色」
プレゼン時に設定した背景が偶然緑だったことから引き継いだ結果この色になったんですが、nojimokuの濱田さんが
「尾鷲の山々の色」
と言ってくれたことでスッと落ち着いたような気がします
mokumokuし過ぎず、それでいてチープな雰囲気もない
桧らしい静謐な空間になったのではないかと思います
正味1か月という超短納期のプロジェクトでしたが、施工を担当してくださった檜作建築の皆さんの大変な御助力もあり何とか納めることができてよかったです
三重・滋賀・和歌山・京都のエリアでご視聴いただくみなさんに、長く愛されるセットになってくれると嬉しいです